健康寿命を延ばす取り組みを紹介するにいがたけんじゅプロジェクト、テーマは「低糖質」です。
最近は、ダイエットや健康志向の高まりから、「糖質制限」という言葉を聞く機会も多いですよね。今回、紹介するのは白米なのに低糖質なご飯です。「美味しく糖質カット」の秘密に迫ります。
訪れたのは阿賀野市にあるバイオテックジャパン。1994年に設立されたベンチャー企業で、低たんぱく質や低糖質商品などの研究、開発を行っています。注目は、低糖質ごはん「ロカゴ」。このロカゴ、見た目は普通の白米と変わりませんが、なんと糖質36%カット！カロリーも３３パーセントオフ！さらに、食物繊維が白米のおよそ3倍の7.5グラムも入っている「低糖質ご飯」です。
どうして、糖質やカロリーをおさえた白米を開発することができたのか。その秘密を探るべく、ロカゴを製造している工場に潜入しました。
【バイオテックジャパン 根布史樹工場長】
「こちらが仕込みのエリアになります。あちら側に洗米の機械がありますので、ご紹介します」
まず、最初の工程は洗米です。大きなタンクの中で、お米に付着している菌をしっかりと洗い流して行きます。丁寧にお米を洗った後は、なにやら機械を使ってタンクを上のほうに移動させて行きます。実は、この次の工程が低糖質ご飯をつくる上でとても大事なポイントです。
【バイオテックジャパン 根布史樹工場長】
「今、乳酸菌とお湯が上からシャワーリングされてお米を落としています」
2つ目の工程は、洗ったお米に植物性乳酸菌を混ぜていきます。植物性乳酸菌は、果実や野菜などから分離する乳酸菌のこと。チーズなどに含まれる動物性乳酸菌よりも様々な環境に適応することができる乳酸菌です。この植物性乳酸菌が低糖質ごはんの秘密なのです。
【バイオテックジャパン 鶴巻勇太上級研究員】
「お米の表面をコーティングして、より多く水を炊き込むのに適した乳酸菌を使っています」
先ほどお米と混ぜていた乳酸菌は発酵することで、お米の表面をコーティングします。コーティングすることでお米の外側に膜ができ、水を多く含んでも形の崩れないお米が出来上がるということです。
【バイオテックジャパン 鶴巻勇太上級研究員】
「ご飯により多く水を含ませて、水を多く含ませられるとその分、固形分が減るので、それで低糖質低カロリーになるという考え方です」
つまり、乳酸菌でコーティングされたお米に多く水を含ませ、焚き上げることで一粒がより大きくなり、同じ100グラムあたりの粒数を抑えることができるので、低糖質・低カロリーになるということです。実際に普通のお米と比べると、水を含んだロカゴのお米の方が断然大きいことが分かります。
【バイオテックジャパン 鶴巻勇太上級研究員】
「こちらの濁っているほうがロカゴの乳酸菌です。振るとわかるのですが、どろどろしていて、乳酸菌が増える時に、この粘性の成分を出している」
ロカゴに使われている乳酸菌、つまり植物性乳酸菌は普通の乳酸菌と比べ、ねばりが強いため、水を多く含んだお米でも破裂することなく形を保つことができるということです。
乳酸菌と混ぜたお米はおよそ40度の部屋で3時間ほど温め発酵させます。その後は一度蒸して乾燥させるということですが、そこは企業秘密という事で工程は非公開です。
【バイオテックジャパン 根布史樹工場長】
「こちらはパックご飯を充填する部屋になります」
6つ目の工程では、低糖質化されたお米がトレーに移されて行きます。ここで食物繊維などを追加し、炊飯に移ります。
【バイオテックジャパン 根布史樹工場長】
「こちらの機械が炊飯ラインとなっております、蒸気を使ってパックご飯を蒸しています」
炊飯では食物繊維を溶かした水でお米を焚き上げて行きます。水蒸気でふっくらと炊きあがったお米は最後の工程であるパッキングと殺菌を行って低糖質ご飯「ロカゴ」の完成です。ところで糖質３６パーセントカットカロリー３３パーセントオフといっても気になるのが味への影響です。普通の白米と違いはあるのでしょうか。
【記者レポート】「美味しい、もちもちしている。普通のご飯と変わらないので、白米本来の味を楽しめる」
ロカゴは粘りの強い乳酸菌を使って発酵させているので、よりもちもちした食感が特徴だということです。
【バイオテックジャパン 鶴巻勇太上級研究員】
「雑穀米、あとは市場には、こんにゃく米みたいなものもあるのですが、弊社の白米のご飯『ロカゴ』ですと、普段の食事と同じように続けていただければと思います」
低糖質ご飯はダイエットをしている人だけでなく、糖の上昇を抑えてくれるため、糖尿病や脳卒中などのリスクを下げたい人にもおすすめです。
毎日の食事に欠かせないご飯。味はそのままの低糖質ご飯で、無理なく糖質制限をしてみてはいかがでしょうか。
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