食生活の改善も、できることから、気長に続けていきましょう
厚生労働省では毎年9月1日から9月30日までの1か月を
「食生活改善普及運動月間」 と定めています。
そこで今回は食生活改善の取り組みについて
新潟県食生活改善推進委員協議会の外山迪子会長にお話しをうかがいました。
Q,外山会長がいらっしゃる「新潟県食生活改善推進委員協議会」とはどのような団体なのですか?
はい、食生活を通じた健康づくりを啓発していくボランティア団体です。
こどもからご高齢の方まで、地域に根差した食育活動を行っています。
「私たちの健康は私たちの手で」を合言葉に
“ひとりひとりが自分自身の健康は自分で守りましょう”をコンセプトに進めています。
新潟県内で約4,000人の方が活動を行っています。
Q,4,000人もいらっしゃるのですか!具体的にはどのような活動をされているのですか?
皆さん、普段は主婦だったり、働かれたりしていまして、その合間で活動をしています。
地域の方々に声を掛けて、こどもや男性を対象とした料理教室を行ったり、
高齢者の食事指導などを行っています。
Q,活動を進める上で、見える新潟県民の課題はありますか?
新潟県は高血圧の方が非常に多いです。
脳卒中を発症する患者さんも全国的に上位。
大きな原因は、やはり塩分摂取過多と考えられますので、
私たちは主に「減塩」を中心において活動をしています。
Q,この番組でも繰り返し取り上げてきましたが、やはり「減塩」が大きな課題なのですね。
なぜ新潟の方は塩分摂取が多くなるのでしょうか?
様々な調査結果から、新潟県民が塩を摂り過ぎてしまう10の食習慣をまとめました。
- 食事は満腹になるまで食べる
満腹になるまで食べると、おかずの量が増える。
その分塩分や糖分、脂分を多く摂取してしまうことになります。
「腹八分目」は減塩の意味でも心掛けてください。
- 主食を重ねて食べる
よく男性の方にみられる傾向です。
ラーメンとチャーハン、お蕎麦とミニ丼、コンビニでカップ麺とおにぎりを買って食べる、など。
これも塩分の摂り過ぎにつながる恐れがあります。
- 丼もの・カレーライス・めん類を週3回以上食べる
味が薄いと満足できない食事は、ついつい塩分が多くなってしまいます。
カレーライスも1食で食塩が3g近く入っているものも多いです。
- 煮物を1日に4皿以上食べる
煮物もしっかり中まで味付けされているものは、やはり塩分が多くなってしまします。
野菜の煮物だけでなく、煮魚、肉じゃが、ひじき煮なども含みます。
朝昼晩と煮物を食べるなら、1食1皿を心掛けてください。
- 漬け物を1日に2種類以上食べる
古漬けではなく、浅漬けなら大丈夫?と考える方も多いと思いますが、
やはり浅漬けでも量は意識して欲しいですね。
- たらこや筋子などを1日に1回以上食べる
ご飯にとても合うので、ついつい多く食べてしまいがちですが、
やはり食べ過ぎは良くないです。
- めん類の汁を1/3以上飲む
全部飲んでしまうと5g以上の食塩を摂ることになります。
美味しいのは分かりますが、少しでも多く残すように心掛けてください。
- 濃い味付けを好んで食べる
新潟県の方は濃い味を本当に好みます。
塩でなく出汁で味付けを行ったり、醤油やソースなどの調味料は掛けるのではなく、つける形にするなど、
工夫次第で色々できます。
- 外食を週に2回以上する
仕事柄、どうしても外食が多い方もいらっしゃると思います。
やはり外食は味が濃いもの=塩分が多いものが多いです。
- 毎日飲酒する
お酒自体ではなく、一緒に食べるおつまみに塩分が多いものが多いです。
やはり毎日というのは控えた方が良いかと思います。
Q.なるほど。これが当てはまっている方は改善した方が良い、ということですね。
この食生活を改善するために、ご家庭で心掛けた方が良いことはありますか?
そうですね、急に味付けを極端に薄くする、というのは食欲減にもつながってしまうと思いますので、
先程の10カ条を、できることから、少しずつ取り入れていって頂ければと思います。
例えば焼肉を食べる時に、両面にタレをつけるのではなく片面にするとか、
お寿司を食べる時に、お醤油はご飯側ではなく、ネタの方に軽くつけるとか、
小さなことから始めてみてください。
Q.最後にラジオをお聴きの皆様へ、メッセージをお願いします。
健康寿命の延伸、というのは簡単にできるものではありません。
各ご家庭で、少しずつ減塩を意識してみるとか、生活習慣を見直してみるとか
気長に取り組んでいただければと思います。
健康寿命の延伸に関しては「できることから、気長に続けていくこと」がダイジ、ということですね。