今回は「睡眠」について、三条市の寝具店「ホームファッションすみや」の吉岡秀司さんにお話を伺います。

 

Q 新生活シーズンで、環境の変化などでストレスが溜まりやすい時期でストレスが溜まると一般的には夜しっかり眠れなくなってしまうという方も多いかと思います。このストレスからくる睡眠不足はどのような影響が出るのでしょうか?

 

睡眠不足が貯まるとストレスで疲労回復が低下してしまうし、肌のバランスとかが乱れてしまいます。

また日中のパフォーマンスも低下してしまう。

脳が休めていないということもあるかと思いますし、やはり体も重いっていうのは感じますよね。

また注意力も散漫になったり、慣れない環境だけにイライラが増したりということもあるのかなと思います。

 

Q どうしてストレスがたまると眠れなくなってしまうのでしょうか?

 

理由は自律神経の乱れだと思います。交感神経と副交感神経の2つに分けられると思うのですが、

睡眠には副交感神経が優位にならないといけないので、そのためにはリラックスした状態にならないといけません。

ストレスなどがあって交感神経が活発になると眠りにくくなりますので、まずはリラックスして副交感神経を優位にさせることが睡眠への近道かなと思いますね。

 

Q 睡眠不足が体に悪影響を及ぼしますよというのは、今お話しいただいた通り、なんとなくは認識してる方多いと思うんですが、一方で睡眠の質が高くなる、良い睡眠ができるようになることで体への好影響もあるのでしょうか?

 

いい睡眠をとることによって、まずは疲労回復。肌のバランスが整ったりとか、記憶の定着というのも睡眠は関わっています。

 

Q テスト勉強を徹夜でやっても覚えないって言いますもんね。

 

僕も一夜漬けで忘れがちだったんですけど、いい睡眠をしたときの記憶は残っているので

記憶の定着にもつながっているのと、あとはメンタルのバランスですね。

 

Q 何時までに寝るなど、「寝る時間」も大事だと言いませんか?

 

以前は夜の10時から夜中2時に成長ホルモンが最も分泌されるなど、眠りのゴールデンタイムと言っていたりしましたが、近年では寝始めの3時間にしっかり眠ることが大事だといわれています。

しっかり眠ることによって成長ホルモンが分泌されている時間帯が非常に重要です。近年ではアンチエイジング効果としても注目されていますし、睡眠の質を高めることで体内の免疫力も高めるということもわかっています。

 

Q 具体的にどうすれば良い睡眠ができるのか、興味ある方は多いと思うんですが、意識すべき点はあるのでしょうか。

 

睡眠のメカニズムというのがありまして、よく「レム睡眠」「ノンレム睡眠」という言葉を聞いたことがあると思うのですが、「レム睡眠」は浅い睡眠のことで、「ノンレム睡眠」は深い睡眠ということです。

このメカニズムが大体90分サイクルで行われていまして、睡眠のサイクルの長さは同じ人でも色々バラバラで、日中によって変化もしているのです。

睡眠に入ると、最初にノンレム睡眠、これは大体60分ぐらいだとは言われているのですが、そのあとレム睡眠という浅い睡眠が30分くらい。これが90分サイクルで繰り返されます。

特に重要なのが、最初のノンレム睡眠。このサイクルでの、最初の3時間の睡眠がすごく大切です。

特にノンレム睡眠は、第1ステージから第3ステージの3段階に分けられていて、最初のノンレム睡眠の時は深く、第3ステージの段階が長い時間続くのです。その深くなる時間が一番疲れとかを取るというところなのですが、だんだん周期が進むにつれて短くなってくるということになるんです。

 

Q さらに環境面でも配慮したほうがいいんですよね?

 

環境面は一番大事なところになりまして、まずは照明。できるだけオレンジがかった温かみのある照明がベストですね。

やはり明るいと覚醒しやすくなってしまいますので、具体的な数値でいうと、30ルクス以下。ほの暗くて、何かが見える程度が理想とされていますね。

あとは騒音のシャットアウト、数値で言うと40デシベル以下なのですが、だいたい図書館ほどの静けさが理想と言われていますね。できるだけ音をシャットアウトするために雨戸を取り付けたりとか、サッシを二重にしたりとか、カーテンを厚手のものに取り替えるという工夫もいいと思いますね。

あとは壁紙のインテリアを落ち着く色、例えばベージュ色とか。赤とか、こういう色だと興奮してしまいますので、

落ち着いたベージュのような色がいいかなと思います。

僕がお客様に言うのが、一流ホテルのイメージはどうですかとお伝えしています。

 

―そうそう一流ホテルには行きませんのでピンとこないんですけどね…

 

ホテルはそこまで明るくない暖色系の照明が多くて、騒音とかをシャットアウトする厚手のカーテンが多かったり、ベージュ色とかの壁だったりするのも多いのかなと思います。

 

Q 気になる睡眠の質なんですけども、まだまだ良くする方法あるんですね

 

眠ることに関して、敷布団はかなり大事なんです。

一般的にいいといわれている敷布団の特徴は2つあって、ひとつは体の一部に負担がかかりすぎず、無理のない自然な姿勢を保つこと。もうひとつは体にかかる圧力を分散させるクッション性がある敷布団を選ぶと、

翌日起きたときにいい眠りをしたという印象になりますね。

 

Q 寝具店や家具店に行ったときにどうやって選べばいいのでしょうか。

当店では、皆様に体験できるスペースを用意していますので、そこで皆さんゴロンと寝転んでいただけます。

体験できないお店とかもあるのですが、できるだけ敷布団は本当に寝具の中でも一番大事なところですので、できれば体験した方が、何年もずっと使うものですので、納得して使えるかなと思います。

 

Q 他にも寝ることはもちろんですが、寝る前が大事ということなんですね。

 

眠りはじめの3時間が重要だとお話ししましたが、そのために寝る前も1時間前の入浴をおすすめしていますね。お風呂に入って上がったタイミングで、だんだん体温が下がっていくときに眠気もおとずれるので、一度体温を上げておくというのもいいのかなと思います。

入浴の温度も39~41℃の高すぎないお湯にゆっくりとつかるのがいいと思います。

 

―これは私温泉ソムリエや入浴検定で勉強したんですけど、42、43℃になると、熱めのお湯だと交感神経が活発になっちゃって落ちつかないんですよね。

 

高すぎない温度でゆっくり浸かるっていうのが一番で、だいたい30分程度浸かっていただくのがいいかなと思います。

他には先週もお伝えしたんですが、眠る前はやわらかい灯りでリラックスする方がいいかなと。今の時代はスマホとか、できればパソコンは避けた方がいいと思います。強い光ですので、できれば避けたほう快眠にはつながりますので。

 

Q ほかにも寝る前にこれはあまりしない方がいいよっていうのはありますか。

 

やはり激しい運動や深酒ですかね。翌日、いい睡眠がとれていないなというのがありますよね。

 

―なんか疲れがとれないなというのがありますもんね。

 

お酒は適度にしてあげた方が。お酒には利尿作用もあるので、夜間、トイレに行きたくなったりとか。

一杯、二杯程度だったら寝つきにはいいかもしれませんが、お酒の量が多くなると、睡眠の障害になるので

あんまりおすすめはしないですね。私はできるだけ、飲酒は寝る前の1、2時間前にしていますね。

 

Q お店では、お客様からこんな睡眠の悩みがあるんだっていう相談を受けますか。

 

最近だと枕が合わないという悩みが多いですね。当店では入った皆様にピッタリ合う枕の高さを無料で測定させていただいています。姿勢が崩れると眠りの質も落ちてきますので、まずは自分の体の形、特に頭とかだったら、測定するとすぐにわかりますから皆様に合った枕をお勧めさせて頂いています。

 

―この3週にわたってお話を伺いましたけれども、かなり睡眠について勉強することができました。ぜひみなさんも一緒に生活に役立てていただければと思います。