一生に1度は肝炎ウイルス検査を受けましょう!

 

今月は、7/22~28「肝臓週間」、

7/28が「世界肝炎デー」「日本肝炎デー」ということで

2週にわたって「肝臓」「肝炎」をテーマに取り上げました。

 

今回は新潟県 福祉保健部健康対策課 感染症対策係の 菊田玲(きくたれい)さんにお話しを伺いました。

 

 

Q.菊田さんの「感染症対策係」というのは、どのような業務を行っていらっしゃる部署なのですか?

 

私が所属する感染症対策係は、エイズや結核、新型インフルエンザ等の感染症対策全般を担当しています。

その中で、私は、ウイルス性の肝炎対策について担当しています。

主にB型・C型肝炎ウイルスに感染した方への医療費助成のほか、

ウイルス性肝炎に関する啓発活動に取り組んでいます。

 

 

Q.では初めに、県のウイルス性肝炎に関する取り組みを教えて頂けますか。

 

「肝炎ウイルス」は、人の肝臓の細胞に感染し、肝臓の炎症を引き起こすウイルスです。

肝炎ウイルスにはA型からE型までありますが、

肝硬変・肝がんへ進行するリスクが高いという意味でB型・C型肝炎は特に注意が必要です。

 

肝がんの原因の約75%がB型・C型肝炎ウイルスと言われています。

日本国内にはB型・C型肝炎ウイルスに感染した方が約250万人程度いると推測されています。

どちらも血液や体液を介して感染しますが、肝臓は「沈黙の臓器」とも言われており、

病気が進行しても、ほとんど症状が出ないため、

本人の気づかないうちに肝臓の働きが損なわれていることもあります。

 

 

Q 本人が気づかないうちに病気が進行するなんて怖いですね。

自分が肝炎ウイルスに感染しているかどうかはどのように確認すればいいのでしょうか。

 

基本的には検査を受けるしかありません。

新潟県では、県内の保健所及び県の委託医療機関で、無料で肝炎ウイルス検査を実施しています。

検査は採血を行うだけで、検査結果がでるまでそれほど時間もかかりません。

 

保健所及び委託医療機関で検査を受ける場合の連絡先等については、

新潟県のホームページに掲載していますので、まだ検査を受けたことがない方は、

是非検査を受けてください(ページ最下部に掲載)。

 

また、市町村が実施する健診や職場で健康診断を受ける機会がある方は、

肝炎ウイルス検査を検査項目に追加できる場合があります。

有料の場合もありますが、機会を捉えて検査を受けていただきたいです。

 

 

Q.もし検査で陽性となった場合は、どのように対応すれば良いでしょうか? 

 

万が一、検査を受けて陽性だった場合は、必ず医療機関で精密検査を受けてください。

 

「自覚症状がない」「仕事が忙しいから」という理由で精密検査を先延ばししてしまうと、

肝硬変・肝がんに進行するリスクが高まってしまいます。

 

新潟県では県内約340箇所の医療機関を肝炎の初期診療機関として登録しています。

初期診療機関以外でも精密検査は受けられますが、

もしどこの医療機関に行けばいいかわからないという方は

県のホームページに初期診療機関の一覧を掲載していますので、参考になさってください。

(ページ最下部に掲載)。

 

また、精密検査にかかった費用の一部を助成する制度もございますので、

肝炎ウイルス検査を受けて陽性だった場合はすぐに医療機関で精密検査を受けてください。

 

 

Q,精密検査を受けて治療が必要となった場合にも助成があるのですか。

 

新潟県では、B型・C型肝炎ウイルスに起因する慢性肝炎や肝硬変の方を対象に、

医療費の助成を行っています。

 

最寄りの保健所に医療費助成の申請を行っていただき認定されると、お手元に受給者証が届きます。

この受給者証を医療機関に提示していただくと、

肝炎に関する医療費・お薬代の自己負担が月額1万円又は2万円となります。

 

肝炎の治療に使用するお薬は高額な場合もありますが、

この医療費助成制度を利用いただければ、

自己負担を抑え、安心して治療に臨むことができますので、是非活用していただきたいです。

 

Q お金のサポートは大事ですね!助成制度を利用していただき、肝硬変・肝がんの進行を食い止めていただきたいですね。

肝炎ウイルスに感染した際の日常生活での注意点等あれば教えてください。

 

肝炎ウイルスについては、空気感染や経口感染はしません。

血液や体液に対する注意をもって生活していれば日常生活で感染することはありません。

例えば一緒にお風呂に入ることや握手、コップの回し飲み等では感染しないと言われております。

日常生活では肝臓に負担をかけないように規則正しい生活をすることが大切です。

ただアルコールの摂取については控えるようにしてください。

 

B型・C型肝炎については、早期発見し、

治療を受けることで肝硬変・肝がんへの進行を抑えることができます。

特にC型肝炎については、治療方法の進歩により完治する病気となりましたので、

規則正しい生活と治療を合わせることで、完治に結び付けていただきたいです。

 

そのほか不明な点があれば保健所でも肝炎に関する相談を受け付けておりますので、

最寄りの保健所にご相談ください。

 

 

Q,それでは最後に、健康寿命の延伸へ、リスナーへのメッセージをお願いいたします。

 

肝炎ウイルスについては、感染していたとしても自覚症状がなく、

症状が出る頃には重症化している場合があります。

 

ご自身が肝炎ウイルスに感染しているかどうかについては、

血液検査を受けるだけで確認することができますので

これまで検査を受けたことがない方は、

保健所の無料検査や職場の健診の機会に是非検査を受けてください。

 

一生に1度は肝炎ウイルス検査を受けて下さい!

 

肝炎ウイルス対策には、「検査」がダイジ!ということですね!

 

 

◎ 参考HP

 

保健所での肝炎ウイルス無料検査/肝炎ウイルス検査が無料で受けられる病院

http://www.pref.niigata.lg.jp/kenko/1298318453811.html

 

肝炎の初回精密検査費用・定期検査費用の助成に関して

http://www.pref.niigata.lg.jp/kenko/1356789837324.html

 

新潟県内の肝炎の初期診療機関

http://www.pref.niigata.lg.jp/kenko/1347483733961.html