概要

静岡県に位置する久能山東照宮は、「東照大権現」として神格化された徳川家康を祀る全国東照宮の中で、最も創建の古い神社です。江戸幕府を開き、天下太平の世の礎を築いた徳川家康は、元和2年（1616）に駿府城で75年の生涯を閉じ、亡骸は遺言によりその日の晩に久能山へ移され、ここに埋葬されました。元和3年12月に二代将軍徳川秀忠の命により久能山東照宮が創建。平成22年（2010）にはその本殿・石の間・拝殿が国宝に指定されています。付属する博物館には、奉納された家康所用の甲冑や晩年の手沢品、徳川歴代将軍の武具、直筆の書画などの宝物2000点以上が収蔵されています。
本展では、こうした貴重な宝物の中から、国宝2点・重要文化財31点を含む選りすぐりの名品の数々およそ100点を一堂に展示します。特に、歴代の十五代将軍全ての甲冑の展示は見どころの一つです。徳川将軍家の美術工芸品を通して、江戸時代の武家文化の精髄をお楽しみください。

国宝・久能山東照宮

• 
• 神となった家康の像
  
  東照大権現像
  作者不詳　天海僧正賛写
  江戸時代（17～18世紀）

展覧会の見どころ

徳川十五代将軍の甲冑が一堂に。

関ヶ原・大坂の陣で
勝利を導いた甲冑
初代家康所用

［重要文化財］
歯朶具足
桃山～江戸時代初期（16～17世紀）
〈前期展示〉

若き家康が桶狭間の戦いの
前哨戦で着用したとされている
初代家康所用

［重要文化財］
金陀美具足
桃山～江戸時代初期（16～17世紀）
〈後期展示〉

二代秀忠所用

茶糸威具足
江戸時代前期（17世紀）

三代家光所用

紺糸素懸威具足
江戸時代前期（17世紀）

四代家綱所用

貫衆具足
明暦2年（1656）12月製

五代綱吉所用

縹糸威具足
江戸時代中期（17-18世紀）

六代家宣所用

白糸威具足
江戸時代前期（17世紀）

七代家継所用

写形歯朶具足
江戸時代中期（18世紀）

八代吉宗所用

紺糸威鎧
江戸時代中期（18世紀）

九代家重所用

黒糸威鎧
江戸時代中期（18世紀）

十代家治所用

写形歯朶具足
江戸時代中期（18世紀）

十一代家斉所用

紅糸威具足
江戸時代後期（18-19世紀）

十二代家慶所用

縹糸威具足
江戸時代後期（19世紀）

十三代家定所用

青糸威具足
江戸時代末期（19世紀）

十四代家茂所用

萌葱糸素懸威具足
江戸時代末期（19世紀）

十五代慶喜所用

卯花威胴丸
江戸時代末期（19世紀）

徳川家康の愛用品。

海難救助のお礼としてスペイン国王から送られた品

[重要文化財]洋時計
スペイン・マドリード製
ハンス・デ・エバロ
1573年製
〈前期展示〉

中には家康が作った薬が入っている！

［重要文化財］
びいどろ薬壺　附 溜塗倹飥蓋造手箪笥
17世紀
〈後期展示〉

家康はこれを使っていた

［重要文化財］
目器
桃山～江戸時代初期
（16～17世紀）
〈前期展示〉

家康はこれを使っていた

［重要文化財］
鉛筆
16～17世紀
〈前期展示〉

家康の愛刀

［重要文化財］
太刀 切付銘 妙純傳持、 ソハヤノツルキ／ウツスナリ
（無銘 三池光世作）
鎌倉時代（13世紀）
〈後期展示〉

家康の愛刀3口を納めていた箱

［重要文化財］
蒔絵刀箱
江戸時代（17世紀）
〈後期展示〉

大将の所在をアピールする２メートルもの扇

金扇馬標
桃山～江戸時代初期
（16～17世紀）