2022年2月24日放送

廃棄食品から色を抽出 色彩豊かなファッションに

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加茂市には廃棄食品を再利用して、オーダーメイドの服を作っている会社があります。一体、どんなものからできているのでしょうか。

みなさん、食べ物を無駄にしてしまったことありませんか。

【街の人】
「後で食べようと思って置いといて、忘れてて...みたいな」
「用もないのに買い過ぎて、賞味期限になって廃棄しちゃう...」

新潟県の推計によりますと、県内では年間9万トンものまだ十分に食べられる食品が廃棄されていて、このうちほぼ半数の4万8000トンが家庭から発生しています。

一方で、去年行われた食品ロス問題の認知度調査では、およそ9割の人が認知していることが分かりました。また、そのうち食品ロス削減に取り組んでいる人もおよそ9割と、県内でも意識の高まりがうかがえます。

【街の人】
「全部食べる。出てきたものは全部食べる」
「自分が食べられる分だけを買って、無駄にしたくないからごみをいっぱい出さないように」
「まず自分のできることを、大きなことはできないけど、身の周りのことから始めた方がいいかな」

加茂市のアパレルメーカー「G.F.G.S.」です。SDGsの一環として、ある取り組みを進めています。「G.F.G.S.」は完全受注生産で一着一着、職人手作りのオーダーメイドボーダー服を作っています。

自社で生地を編んでいるため、ボーダーの太さ・配色を自分で好きなように選ぶことができます。例えば、編み機で使われている淡い紫色の糸。柔らかでかわいらしい色合いです。実は、この糸は廃棄されるはずだったブルーベリーで染められたものなんです。

「G.F.G.S.」では2019年から、廃棄食材で染めた糸を使ったボーダーカットソーを販売しています。

【G.F.G.S. 小柳雄一郎代表】
「商品を見ると分かるが、食べ物 食べ物していない、ちゃんとファッションになっているので、お客さまにとっても買う意識が高まる」

糸は愛知県の繊維商社「豊島」で作られています。特殊な技術を使って食材から色を抽出し、糸が染められます。茶色い糸は、コーヒーのドリップ後の出がらしを使ったもの。パステルピンクの糸は、なんと桜で染められています。

そして、最も人気で現在品切れ中の糸。何で染められているかというと、赤カブなんです。

廃棄食材の再利用で気になることの一つ、それはにおいです。

【記者リポート】
「(においは)全くしないです」

【G.F.G.S. 小柳雄一郎代表】
「そこを残念と思われると困るけど、においはしないです」

小柳代表が目指すのは、SDGsの取り組みが当たり前になることです。

【G.F.G.S. 小柳雄一郎代表】
「いろいろな意識の中でSDGsを感じて着ることも大切だと思うんですけど、普通に洋服として『いい色合いだな』と買ったものが、循環のサイクルで作られているということが増えるといいなと思います」

廃棄食材が活用されたオーダーボーダーは、ホームページから注文できます。

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