2022年2月21日放送

ごみを出さずに作るバッグ その革新的な製法は?

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新潟市東区の会社が手がけるかばん。裁断くずなど余計なごみを全く出さずに作ることができるということですが、その作り方には一体どんな秘密があるのでしょうか?

JR新潟駅構内にある「ぽんしゅ館」。その入り口にひときわ目を引く青色のかばんがありました。その名も「WWW BAG」。実はこのかばん、作り方に秘密があるというのです。手がけているのは、新潟市東区に工場を構える「スパンギャルド」です。

【スパンギャルド 残間健太郎専務】
「繊維製品は大体15%くらいの裁断くずとか、余計なごみが出ると言われていまして、うちはごみのなるべく出ないかばんを作れないかというところで、いろいろ考えた」

幼い頃から縫製工場に出入りしていた、専務の残間さん。商品を作るとき、山のように出てしまうごみがずっと気にかかってました。裁断くずや、縫い目を隠すテープの余り。一般的にかばんを100個作ると、テーブルにひと山ほどの量のごみが出ると言われているそうです。そこでひらめいたのが「WWW BAG」でした。

【残間健太郎さん】
「折り紙のように折りたたんで平面で作っていくと、なぜかこういう形状のものができる」

想像できますか? 実はこのかばん、1枚の布を折りたたんでいくことでできているんです。複数のパーツを組み合わせて作る従来の方法とは違い、1枚の布をそのまま折って作るため、布の余りや切れ端が全く生まれません。

「World Without Waste」。まさに、ごみがない社会の実現を目指す革新的なかばんです。実際に作るところを見せてもらうと、折り紙のように折りたたみ、最後にひっくり返すことで、たった数分で完成しました。

【残間健太郎さん】
「1枚で作っているんですけど、縫い目が全部後ろに隠れている」

縫い代を隠す必要がないため、テープのごみも生まれません。

【残間健太郎さん】
「世界中のバッグの何割か、1%でもいいのでこの手法が世の中に出れば、ものを選ぶときの基準がちょっとでも『環境にやさしい』とか、自分(購入者)にとっての付加価値になればいいかなと思います」

さらに残間さんは、この「WWW BAG」で地方のブランド化も目指しています。見る角度によって色味の変わる繊細な刺繍は、五泉市の業者と。きらめく三日月と夢の世界を歩くバクで「空想」を表すなど、込められた個性的なコンセプトは新潟市のデザイナーと。それぞれタッグを組んだのは「メイド・イン・ニイガタ」の技術力です。

【残間健太郎さん】
「もっとこんなに新潟ってすごいんだよというのをアプローチ、アピールしていきたいなと思っていまして、日の目を見ていない工場とか、すごい人たちが(新潟には)ものすごくたくさんいるんですけど、そういう人たちと一緒に開発して、一緒にビジネスすることで楽しく生活できれば」

新潟から世界に発信する新しい時代のものづくり。秘められた可能性は無限大です。

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