2021年12月14日放送

廃熱利用で栽培の「越後バナーナ」 子どもたちが学ぶ地域と環境

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柏崎市生まれの「越後バナーナ」を、地元の小学生が販売しました。伝えたいのはバナナのおいしさだけではなく、環境への取り組みです。

柏崎市役所で元気にバナナを売るのは、荒浜小学校の3年生。

「お買い上げ、ありがとうございました」

売っているのは、柏崎育ちの「越後バナーナ」です。

このバナナは柏崎市の「シモダ産業」が、自社の産業廃棄物処理から出た廃熱を利用して栽培しています。熟すと皮まで食べられる1本1000円の高級品。バナナと子どもたちが出会ったのは5月でした。

「ねえ見て、すげえ、あった!」
「バナナあった。バナーナ!」

総合学習の一環でハウスを訪れ、自分たちのバナナを植えた子どもたち。それから、バナナについて、地域について、さらにSDGsについて勉強を続け、何かできないかと考えてきました。

【児童】
「どうか私たちに、越後バナーナのバナナを売るお手伝いをさせてください。お願いします」

断られる覚悟での、必死のお願いに...。

【シモダ産業 霜田真紀子さん】
「みんなの気持ち、よく分かりました。越後バナーナの特徴をお客さまに伝えることはもちろんなんだけども、越後バナーナを通じたSDGsの取り組み、そういったこともお客さまに伝えながら越後バナーナを販売してほしい。そういうこともみんなできるかな」

【児童】
「はい」

それから、およそ1か月。子どもたちがアイディアを出し合って作った旗やポスターで、越後バナーナをPR。また、SDGsについて発表するブースも設けられました。

【児童】
「越後バナーナとSDGsの関係はたくさんあります。2番『飢餓をゼロに』は、傷付いたバナナや小さいバナナなどは、シェイクやケーキにしています。つまり、食べられるものは捨てずに、みんなでおいしく食べられるようにしています」

さらに、お客に手渡すのは新聞紙で作ったエコバッグです。

【児童】
「(SDGsの)『つくる責任 つかう責任』と『海の豊かさを守ろう』の言葉から生まれたエコバッグです。エコバッグは丈夫なので、ぜひ違うことに使ってください」

様子を見に来た桜井市長からの、こんな質問にも...。

【柏崎市 桜井雅浩市長】
「どうやって(ハウス内を)温かくしているの。お湯はどうやって作っているの」

【児童】
「工場で温かいお湯を出しているけど、それがもったいないからバナナを作るのに(利用している)」

バッチリ答えることができました。最初は少し緊張気味だった子どもたちも、しっかりと自分の役目を果たし、予定を上回る78本のバナナを売ることができました。

【児童】
「緊張していたけど、バナナを売ったり、のぼり旗でお客さんを呼んだりしているうちに、もうなんか緊張はなくなってきた」
「まだSDGsを知らない人とかに、私たちが結構知るようになったから、知らない人に教えてあげたい」

子どもたちの頑張りに、企業の担当者も感心しきりです。

【シモダ産業 霜田真紀子さん】
「(子どもたちが)お客さんに意味を伝えている様子を見て、単に販売体験をしたいってだけじゃなくて、自分たちの学んだことを表現したいっていうのが十分、達成できているなと思います」

越後バナーナの魅力にとどまらず、SDGsについても伝えることができて大成功の子どもたちでした。

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