7月24日、第100回全国高校野球選手権新潟大会決勝、新発田高校vs中越高校の試合をラジオで実況しました。

実に十数年ぶりの高校野球実況でしたが、改めて感じたのは「ラジオの野球放送はスポーツアナウンスの基本」だということ

です。

プロスポーツは今や多様化し、さまざまな競技が放送されていますが、実況中継の手法のベースと言える大事なことが

ラジオの野球放送にすべて含まれているのです。

一つは「試合がどこまで進んでいて今、何対何なのか」をできるだけたくさん伝えることです。ラジオの野球中継をお聞きにな

ればわかりますが、アナウンサーは何度も「○回の表、○○の攻撃、○対○で○○がリードしています」と言います。

リスナーはいつから放送を聞き始めるのかわからないので、いつでも途中経過がわかるようにしなければなりません。

ですが、言うは易しでこれが何年経っても難しいのです。目の前の細やかな動きにとらわれるあまり得点経過という「全体」を

伝えるのを忘れがちになるのです。

もう一つは「プレーに遅れないこと」です。野球はすべてのプレーが投手の「投げました」から始まりますが、これが遅れるとそ

の後の描写すべてが遅れてしまいます。試合すべてが遅れてしまうといってもいいでしょう。これもなかなか難しく何年経って

も永遠の課題と言えるくらいです。

この2点は野球実況中継の基本であると同時にすべての競技について当てはまるものです。

例えばサッカーやラグビーといったフィールド競技でも「何分経過して○対○で○○がリード」は実況中継の基本中の基本で

す。

「ことばによるスケッチをしながら最後に絵を完成させる」。わたしはスポーツ実況をそう考えています。

放送の歴史上、築かれてきたスポーツアナウンスの「文化」をぜひ守りたいものだと思います。