本間錦一さん (村上市瀬波海岸・ライフセーバー)
30年以上も人身事故ゼロを続けている
県北、村上市の瀬波海岸。
この海水浴場を守り続けてきた本間錦一さんは、
83歳の現役ライフセーバーです。
その風貌、風格はまさに古武士。
「最初ですな、
此の海岸に来て思いましたのは・・
其れまでの3年間一度も
無事故の年がない。
これはいかん、これではな・・と。
ならば、日本一安全な海岸に、
瀬波海岸にしてやろうと。
そう思いまして、
その気持ちだけは誰にも負けずに
ここまでやって来た、
ということですな。」
潜水30メートル、自転車5キロ15分。
自らにノルマを課せ体力維持に努める本間さん。
100人以上の後輩を育てた今も現役にこだわります。
そんな海の安全の守り手が語る
海水浴の際の注意点・・
それは驚くほど基本的なことでした。
「やはり、海と言うのは
危険と隣り合わせなのです。
注意事項を徹底的に守ってもらうと
いうこと。
準備運動をし、体をきちんと
水に濡らしてからゆっくり入る
団体の場合、海に入る前と後、
人数確認を怠らない。
当たり前の事ですが、
これを一番皆さんは言っています。
口を酸っぱくするほど、毎日ですか(笑)」
何よりも危険な海だから、楽しんでもらうためには
朝から晩まで我々も眼を光らせていなければならない・・
淡々と語る本間さんの表情に刻まれた決意。
「人命は地球より重い・・福田武雄総理の言葉でしたかな
これが常に私の頭から離れんのです・・」
体力の続く限りライフセーバーを続ける、と本間さんは言います・・
20年間体重はまったく変わらぬよう訓練を続け節制を怠らぬとも。

そうして続けてきた
ライフセーバーの活動のなかで
育て上げてきた100人以上の
後輩たちライフセーバーが
今、千葉や埼玉から毎年夏、
此の海岸を守るのを手伝ってくれることが素晴らしい、と、眼を細めて語ります。
「此の仕事は7~8月の
37日間だけですからな。
民間ではなかなか成り手が
少ないのです。
だからこそ、そういう心がけが嬉しい在り難い。
毎年毎年、そう思っておりますよ・・。」
瀬波はこれだけ安全で、また綺麗な海岸なのだと
30年守ってきて自信を持って言える。
だから、地元だけでなく日本中から瀬波に来て
海を楽しんでほしいです・・と、日焼けした顔に笑顔の本間さん。
「毎年毎年振りだしに戻って頑張って
30年無事故で
ここまで来れましたな。
これからも30年、
此の海岸は無事故で、と(笑)
ただ、そうなると私は118歳に
なりますからな・・
其の時は三途の川の監視員・・でも
やっておりますかな」
最後、そう言って此の古武士のようなライフセーバーは
莞爾として微笑んで海岸監視へと戻って行きました。
瀬波海岸の安全はこれからも守り続けらていきます・・
本間さんとその志(こころざし)を継ぐものの手によって。




