宮尾浩史さん (新潟市豊栄・農業)
「農家のせがれだったしね・・親の面倒は見ないとと思ってた。
あと、加島屋(新潟市の鮭・海産物食品生産販売店)で
働いてた時、食べ物を作る喜びと言うか・・・その、
人の命を支える力は安全な食い物からだと教えられて。」
新潟市北区で農園を営む
宮尾浩史(みやおひろふみ)さん。
9年前に脱サラし、専業農家になりました。
農家になってからずっと、化学物資に頼らない自然環境にこだわった農業を実践しています。
「身の回りに在るものを生かす・・
それだけなんなだけども(笑)
5~60年前までは
何処でもやっていたことなんだね。
家畜の糞や身の回りの草、
其れこそ水底の泥まで
肥料にし循環させ・・・育った作物のわらやいろんな部分は
醗酵させて肥料にして、また家畜の餌にして・・・
ず~っとそうやって農業をしてきたんだな、ここで。」
訥々としかし情熱を感じさせる口調で語るとおり
宮尾さんの飼う鶏の餌は、
青草やくず米など
ほとんどが周辺にある資源や農作物の余剰物の一部。
まさにこのふるさとにある
=自然の恵み=が
安心・安全な生産物を作り出しています 。
「これをね、昔からやってた自然内での大きな循環?
それを今の世の中に合うようなかたちでやっていきたい。
そして、子どもたちにも続けられるように・・」
「ここ(豊栄)は湿地なんですよ、
湿地だから育つ野草とか動物とか菌とかがある
=葦(よし)=なんかもいっぱい自生してて
昔は壁材や屋根に使ってたんだね、何処でも。
でも、今は誰も使わないから藪になって生えてる(笑)
それをね、使って循環させるんだね、自分で・・・
=葦(よし)=だけじゃなくて、生えてるところの水底の泥?
その中の菌を使って醗酵させて堆肥にして・・田や畑に戻す。
ここに何千年も生きている菌だからねえ、強いよ(笑)
こういうやり方の良さを沢山のひとに知ってもらいたいとも思うなあ。」

・・ここまで来るのに色んなひとや、何より自然に世話になった。
だから、今度は自分自身がひとや自然の役に立ちたいんだな・・
ふるさと豊栄の野の一角で大地と自然と向き合う宮尾さん。
「目に見えない生き物の
たくさんの繋がり・・・かな?
ここの暮らしは
そこから生まれたんだと
時々思うんで。
村も伝統も祭りも、この農村の生業(なりわい)の中から。
いや、人間だけじゃない自然の大きな繋がり。
だから暮らしはいつも自然の中にあるんだろうなあ、と思う。
それを沢山のひとと共有して行ければなあ、と。
俺自身がそうやってここまで育ててもらったからね。
ひとだけじゃなく沢山の生き物とか自然に。」
農業を通して大きな調和や発展や平和だって・・
生まれるんじゃないかなあ?
最後、そう言って微笑んだ宮尾さん。
その手が支える、大地のにおいがする農業には
この地の自然がしっかりと息づいているようです。




