渡辺孝治さん (上越市・和牛生産)
新潟和牛の代表的な産地の一つ
頸城・上越(くびき・じょうえつ)地域。
この地で品質にこだわった和牛生産を行なってきたのが
渡辺孝治(わたなべこうじ)さんです。
「元々このあたりは、使役に使う牛が
主だったんだが食用の食育牛は
自分が最初だったかも知れないな。
一頭から少しづつ増やしていって、
此処まで。」
高校を卒業したのち渡辺さんは
地元で何がやれるかを求め
三重県に半年ほど研修に行ったのが切っ掛けで肉牛の飼育に本格的に取り組み始めました。
「頚城は村上よりも牛の飼育の伝統が
あったんだよ。
元々牛が多いところだったせいも
あって。ただ何時の間にか途絶えて
しまった・・・。
自分が始めた時は頭数を増やして
品質を上げることがまず大事だな、と
思ってね・・
飼育の仲間作りから始めた。」
そして弛まぬ努力と工夫の結果
渡辺さんの生産する肉牛は
県の品評会で最優秀賞を受賞するに至ります。
「こだわりというのは・・まあ、あまり無いんですが
牛を育てる時にね、自分がそうだったらどうなんだろうと。
牛舎の床が濡れてりゃ気分は悪いだろうし、
喰うものにしても新しいものが良いだろうし・・
その気持ちでね、続けてきただけで。
あとは一生懸命育てた牛だから
皆さんに美味しく食べてもらいたくてね、それだけ。」
育牛を初めて30年余、地域のひとに美味しく食べてもらう
それだけを目標にしてきただけ、と笑う渡辺さん。
今までやってこられたのは地域の応援があってこそ、とも。
その技術とこだわりは今長男の洋一さんへと受け継がれています。
「(育牛を)継ぐことを強制はしなかったんだがね(笑)。
せがれが農業大学校出た後、お蔭で跡を継いでくれて
今は任せている部分が多いような状況で、在り難いなと思っていますよ。」
衰退しているといわれる日本の農業のなか
山間地で出来ることのひとつはこういう育牛かなあ、と渡辺さん。
「米は平場(ひらば)で作れるでしょう、
山は牛がある(笑)。
出来ることを頑張っていけば
道はひらくと思うんだね。」
「外国産が中心の牛肉も、
地域で育て作ったものを
まず地域で消費できるようにしたい、
これが原点かもなあ・・」
そう言って渡辺さんは柔らかに笑いました。
「これからの夢?・・
そうだねえ、っぱ産者として
一生のうちに一度、4年に一回開かれる全国品評会にね。
日本一の肉質の牛を出品してみたいですね。」
和牛を地域の特産に育てたい...
渡辺さんは息子さんと共に
今日も牛の世話に勤しんでいます。




