工藤賢也さん (佐渡市・尾畑酒造杜氏)
佐渡市、尾畑酒造(おばたしゅぞう)。
日本酒の仕込みが行なわれています。

この酒蔵の杜氏が工藤賢也さん。
今では珍しくなった蔵人泊り込みによる早朝仕込みをここまで実践してきました。
「他の蔵の事は良くは知りませんが・・・
うちでは今も昔も同じ、あたりまえに仕込みます。
ええ、泊り込みで、自分がここに来た時もそうでしたから。」
夜の仕事、麹造りは今ではタイマーによる機械監視も出来ると言います。
ですが、やはり自分の目で確かめてやらないと、という拘(こだわ)り。
それが自分の、また、この酒蔵のやり方、と微笑する工藤さん。
「酒は、一番気候風土と切り離せない代物ですしね。
その土地の色も匂いも出てしまうから・・・。」
寡黙な杜氏の柔和な眼差しの中に潜む作り手の意地。
全国新酒鑑評会では新潟県最多の6年連続で金賞を受賞。
手づくりにこだわった酒造りは多くの人から高い評価を受けています。
「方針として賞を獲ることに拘(こだわ)ってはいません。
できることを積み重ねた結果としてそこに賞があるというのが理想。
そんな気持ちでやっています、これも先輩から伝えられたとおりに(微笑)。」
「酒は、食品の中で一番添加物とか香料とか・・入れられないんです。
だからこそ昔ながらの造りや味が残っている部分も多いと思いますから・・・
だからこそ佐渡で作れば=佐渡の酒=になるんですよね。
それをね、判って飲んでいただけると面白いんじゃないかなあ。
この酒を飲むとこの景色や風土が浮かんでくれれば。」
お客さんに喜んでもらえる酒造り、ニーズに合わせ甘口から辛口まで。
自分ひとりよがりにならぬように造ることを一番に。
「あとは、まあ、正直、値段と味のバランス・・ですか(微笑)」
そう言って寡黙な杜氏は優しげに微笑みました。
「酒は、=水=と=米=なしでは出来ない代物なんです。
最近、何処でも水が汚れて、そして米だって汚れてくるかも知れない。
その=水=と=米=を守る、ふるさとの風土を大切にしたいですね。
体力続く限りはこの仕事を続けて行きたいと思ってますから・・・
酒造りはやって楽しく充実感のある仕事・・・ですから(微笑)。」
佐渡の自然と工藤さんの情熱は
今も確かに新潟の銘酒を育んでいます。




