広井 一恵(かずよし) 小千谷市 広井養鯉場
中越地方の山間部に位地する小千谷市、
町の特産品であり伝統でもある錦鯉の育成を
85年以上も続けてきた広井養鯉場。
その9代目が、広井一恵(かずよし)さん、
父、国安(くにやす)さんと共に、
小千谷の伝統産業を守り続けてきました。
「小さい頃から親父の背中見て育ったからね。
もう、錦鯉やるのは当然だと思ってたし・・長男だしね。」
淡々と語る一恵さん、伝統に対しての気負いも衒いも無い・・
この仕事を選んだのも続けるのもあくまで自然体・・
そこにはこの地に根付いて生きている生産者の意気地が見え隠れします。
この小千谷の地も専念の中越地震では大きな被害を受けました。
しかし一恵さんたちの錦鯉作りはその被災のなかでもたくましく生き続けたのです。
「・・生産面積も半分になったし、施設も直さなきゃなんなかった。
でも、俺も親父も止める気はなかったね・・かえって続けなきゃと思ったよ。
で、地震のあと、特に感じるんだよね・・原産地ってこともあってかな。
いろんなところからお客さんが来るたびに、俺等、なんというか
伝統を守ってるんだなあ・・って、親父の前のその前からず~っと・・ね。(笑)」
親子二代の錦鯉作りにかける思い・・その伝統への誇りは
震災の苦難を乗り越え、今年行なわれた「全国若鯉品評会」で
最高位の国魚賞をはじめ数々の賞を受賞しました。
「賞もらう鯉は確かにいい鯉なんだよね。
でも、いい鯉ってのは・・難しいんだね。
それ以外にもいっぱい、いい鯉あるからさ。
うん、難しいんだよ・・(笑)。」
小千谷の山懐に抱かれた自然のなか・・
長い歳月変わらずに 続けられてきた錦鯉作り。
その伝統について父と飲みながら語る夜もよくあるよ・・と
少しはにかんだ笑顔で語る一恵さん。
日本だけでなく世界中の人に錦鯉の美しさを知ってもらう、
それがこの先の夢かなあ・・とも。
小千谷の自然のなか泳ぐ宝石錦鯉は
これからも伝統を守る人々の手で作り育てられ続けていくことでしょう。




