+ + + + + + + + + + + + + + 講 演 内 容 + + + + + + + + + + + + + + +
* はじめに・・・参加者同士で自分の子どもの自慢をし合いました *
家族が子どもや孫の自慢話をするのは楽しいもので、純粋に自分の子どもが一番かわいいという素直な気持ちになれます。「世界で一番かわいい」「子どもは愛されるために生まれてきた」そのことが感じられることが子育てのポイントになります。
人は愛されるために、そしてその愛を伝えるために生まれてきた。人は愛されて育ち、愛することでさらに成長していく。健康な人とは、愛することと働くことができる人です。
* つづいて・・・事前の質問に応える形で話されました *
【子どもを自立させるには】
温かいお風呂にたっぷりと温まると自分から出ていくように、子どもにはしっかりと甘えさせ、たっぷりと愛することです。
【子どもは親になにを望んでいるか】
親に愛してほしいと望んでいます。勉強やスポーツ、芸術ができるようになりたい、人々の役に立つことをしたい、みんなと愛に溢れた豊かな人間関係を持ちたいと願っている。子どもはみんな輝きたがっているのです。
【親の気持ちを丸わかり?】
子どもは敏感に大人の心を感じます。本に書いてあるからと機械的に子どもを誉めても子どもにウソが伝わります。心の底から「〜あなたはえらいね」と自然に誉めるとそれが子どもに伝わります。「お母さんの気持ちをわかって!」ではなく、「あなたの気持ちがわかりたい」と伝えたいものです。
【子どもとの心のふれあいは】
私の父はよく夜の散歩や喫茶店に連れて行ってくれ、そこではいつもと違う会話になりました。キャンプやお風呂、釣り、キャッチボールなどは会話のきっかけになります。家族はただ一緒にいて意味のない会話をし、一緒にご飯を食べ、日常の繰り返しの中で心と心が通じ合い親子・家族をつくります。「子どもとバカな話をする」「カラオケで意味のない歌を歌う」そんな時間を過ごすことも大切です。
【今の子どもの様子とその対応は】
昔も今も子どもが生まれたときは同じですが育つ環境が違います。ある園長さんが「問題児はいない。問題のある大人がいるだけ」と言っていました。押し付けの愛ではなく、親切(効果的)なことをしたい。しつけも教育も大切だが、忘れてはいけない気持ちは「たとえそうでなくても」。子どもを深く愛するのが親です。
【やる気のある子どもに】
子どもは暗示にかかりやすいので、「あんたはがんばり屋さんだね」の一言で「そうなんだ」と子どもはやる気を出すようになります。例をあげると、子どもたちをA、Bのグループに分けて全員に飴を配り、飴が食べられない子どもに飴を寄付しようと呼びかけました。どちらも寄付をしたのですが、Aグループには「寄付しようと言われたから寄付したのね」と言い、Bグループには「あなたは心が優しいから寄付したのね」と伝えました。その結果、その後何もいわれない場面でも飴を分け与えたのは、Bグループの子どもが多かったのです。
【子どもの反抗期とは】
親は子どもが小さいときは抱きしめますが、子どもが大きくなっても同じように抱きしめていると子どもは反抗します(2〜3才と思春期)。今まで親の手の中で静かにしていた子どもが自ら動き出し飛び立とうとすると、親はあせって締め付けようとします。思春期は干渉しないで少し離れて立ち、いつも子どもの幸せを念じていれば、子どもは親の元へ戻って傷を癒し、また巣立っていくことが出来るものです。
【誉めて子どもを育てることの大切さ、難しさ】
自分を誉められない人は、他人を誉めることはできないのです。自分はこれでOKと思っていないとやっかみが生まれるものです。
【子どもとの距離のとり方は】
常に前に出る親に子どもはイラついてきます。子どもがイラつくことをわざと言う親もいます。遠くにいても親が安全基地になっているといいですね。
ある冒険家は「冒険するのは、帰る家があるから」と言う。帰る父母がいるからいろんな困難に立ち向かうことができるのです。
【どこまで子どもを厳しくしたらよいのか】
しっかりと甘えさせた上で、我慢や努力してよかったという体験が大事です。我慢して、待って待って貰ったクリスマスプレゼントほど子どもは嬉しいのです。厳しく叱っても、しっかりと抱きしめてやれるのが親の特権。叱られたことを大人になって楽しく話せるのは、父母がしっかりと自分を愛してくれていたと実感していたからです。体罰は一時的にはよく効きますが、よく効く薬には副作用があります。子どもは、必要があれば人を殴ってもよいと学んでしまうのです。
子どもは、親が意図したもの、意図しないものも学びます。意図しない教育が効果的です。実生活での親や家族の後姿から子どもは学んで、言動や態度を身に付けていくのです。
【キレる子どもには】
いい子のときは愛され、いい子でないときは愛されていない子がキレるのです。親は、子どもの言葉を真剣に受けとめる。しかし単純に真に受けない。子どもは言語表現が不十分で泣くことがあります。そんなとき、「痛かったね。辛いね。」と言って、子ども自身がわけの分からない感情(お母さんのばか、ばか)を親が翻訳して(お母さんのこと大好きだよね。抱いてほしいんだよね)(よしよしわかったと)心に余裕を持って対応すると、子どもは自分の感情をコントロールできるようになるのです。
【女の子から母親へ、男の子から父親への心構えや態度は】
女の子は小さい頃より母親になるために訓練されてきていますが、男の子は父親になるにはハンデイがあるのです。父親は周回遅れのランナーと考えたほうがいいです。親は子どもとのかかわりの中で、母親や父親らしくなっていくものです。今の若い父親は、高度成長時代の父親を持ち、子どもとの関わりがうまくいかないで育ってきました。だから、母親がアドバイスしたり、子どもとの仲介役になるといいのです。父親の得意なことなどを通して子どもに関わらせると、子どもはかわいいとの気持ちが強まり、だんだんと父親らしくなるものです。 父親が子どものためにできる最善の方法は、その子の母親を愛することです。ただ「愛せよ」と言っても愛せるものではなく、お互いに、愛される工夫や努力が必要なのです。
【手のかかる子どもの対応は】
母親が守ってやるとユニークな子どもに育ちます。母親が育て方に悲観的になると、母子関係が変になります。そんなときは、父親が余裕を持って接してやることが大切です。
【不登校の子どもへの対応は】
学校に行けないことを子ども自身や親が自分を責めることでかえって問題が起きます。前向きに考えることが大切で、心に余裕があるとあの手この手が考えられます。宝は必ずあると信じて、次の場所を探していくことです。子どもに関する悩みのほとんどは、十年たつと笑い話になります。必ず解決できると思うと心に余裕が出来ます。今日の分は今日叱る、明日の分は明日叱る。ムキにならないこと。今日も明日も明後日も親子関係は続くのですから。
長丁場と思えば余裕も湧いてきます。不登校には、関係者(家族、学校、役所、医者、地域等)とどのくらいスクラムが組めるかです。全部を敵にしている母親には、助けてやろうと思っても怖くて近づけません。関係者は親と意見の違いがあっても、みんな子どもの味方です。親は調整役となって、関係者をうまく活用していくことが大切です。
【いじめについて】
本人が感じていなければ問題はないですが、いじめられていても感じていないふりをする子どもがいるのです。ふざけといじめの違いは、ふざけはそこで愛を感じるが、いじめには愛を感じられないのです。
【夫が育児に関わらないので改心させたい】
父親への育児への参加は強制してもダメ。相手を変えようとする努力より、わかろうと努力することが大切です。
【自主性をと願うが待てない】
たとえがんばれなくとも、父母からしっかりと愛されていることが自覚できる子どもは挫折
感さえ心の栄養にするのです。
*おわりに・・・ある童謡作詞家のことばから*
「ぼくはお母さんのことが大好き、お母さんはぼくのことが好き、
風吹けビュービュー、雨降れ、ジャンジャカ」
* Q&A *
Q:まわりの違う考えの大人の中で、子どもをどのように育てたらよいか。
A:子どもに足りない部分は、親がフォローしてやればよく、基本的には、子どもは様々な人との関わりで育っていきます。
Q:共稼ぎで長女には厳しく、長男には甘く育てたことを後悔していたが、話を聞いて子どもは一生の宝と胸に刻んだ。今後も子育てをがんばりたい。3時間かかって来たが大変満足した。
A:子育てに遅すぎるということはない。子どもから見ればあなたこそ世界一の親。親が子を愛し、子が親を愛せるならば、子どもはきっと幸せになれる。
Q:大学受験の妹がニートである長男をバカにする。長男は、妹の塾の送り迎えをしている私を甘やかしていると言っている。両者の間に入って困っている。
A:子どもがいちばん嫌うのは、親や教師がえこひいきすることである。自分の方を向いてほしいからである。あなたのことが一番好きというメッセージを長男にも、妹にもどのように伝えるかである。兄妹へそれぞれ対応すれば納得する。素直な感情の表れなので矛盾はない。
* さいごに・・・・講師からのメッセージ *
子どもの努力が報われる環境づくりをしてほしい。子どもに豊かな体験(小さな成功体験)をさせるのが親の役割。子どもは傷つきながら育っていくのです。どんなことがあっても、「絶対にあなたを見捨てない」というメッセージを子どもに伝えることです。しかし、熱心さのあまり、一つの方法に固執して愛が空回りし、子どもに届かないことがあるので注意してください。
親の愛が伝わると、子どもは努力します。その子どもなりのすばらしい花がいつか咲きます。そう信じて子育てをしてほしいです。
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