今月11日、ある殺人事件から15年が経ちました。

平成8年(1996年)4月11日、当時立教大学4年だった小林悟という青年が、東京のJR池袋駅山手線ホームで、見知らぬ男に殴られ死亡したのです。

私にとって、この事件には特別な思いがあります。殺害された小林悟君が、私の大学時代のアルバイト先の後輩だったからです。私たちは東京足立区で区民プールの監視員の仕事をしていました。アルバイトの仲間たちと共に、仕事の後に食事に行ったり、温泉に旅行に行った事もありました。悟君が私のアパートに泊りに来た事もありました。誠実で優しい青年でした。
その悟君は、就職活動の最中に突然命を奪われ、21年の短い生涯を閉じました。

私も無念です。今でも信じられません。そして、あろうことか、その犯人は15年たってもいまだ捕まらず、似顔絵はあっても何者か分かっていないのです。
kondo20110423.jpg深夜とは言え、大都会東京のJR池袋駅山手線ホームです。事件発生時、現場に人は大勢いたはずなのに、直後、情報提供に名乗り出た目撃者はごく少数。
悟君の父親、邦三郎さんは「息子は社会の無関心にも殺された」とおっしゃったそうです。

去年4月、改正刑事訴訟法が施行され、15年の時効は廃止されました。事件発生以来、粉骨砕身、ずっと犯人探しに奔走してきた邦三郎さんは、15年たったその日も池袋駅で情報提供を呼び掛けるチラシを配りました。
犯人は、遺族の悲しみや苦しみも知らず、今どんな顔で日常生活を送っているのでしょう。社会が関心を持ち続け、協力しなければ、犯人は逮捕出来ません。皆がこの事件を忘れてはいけません。現在65歳の邦三郎さんのお身体も心配です。一刻も早い犯人逮捕を心から祈っています。